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第5回 セッティング固定のポリシー(2)

[2007/08/01]

セッティング能力も必要な能力だが……
どんなコンディションにも、走り方と自分の腕だけで立ち向かう。

 アドバイザーの畑川治氏は、まず自分の運転を作っていってほしいと強調する。とにかく今は、自分の能力を完成させることを目標にしてほしいというのだ。

 

「FCJに参戦するくらいのドライバーにとっては、自分の中で高められるものを最大限に高めておくというステップが大切です。セッティングを進める作業とは、ドライバーがエンジニアに正確に状況を伝えることなんです。それが、運転がしっかりできてないのでは、ある現象について、マシンを変える必要があるのか、自分が下手なだけなのかが判断できない。そんな疑問があったら、結局はセットアップなんて進みませんよ」

 

 しかし当然のことながら、まったくセッティングを触れない状態に、ドライバーたちは完全に満足しているわけではない。もちろん、上記のようにいきなりすべてを自由にすれば、自分は混乱してしまうだろう、と語るドライバーも少なくない。しかし彼らは、何か少しだけでも体験させてほしいと感じているのも事実なのだ。ほとんどのドライバーから異口同音に聞かれるその理由は、「(このままセッティングのやり方を知らないで)上に行ったときに心配」という、その一点である。

 

 セッティング能力も、レーシングドライバーの大切な技能のひとつだ。実際にF3以上のクラスにステップアップしたときには、チームとともにマシンをセットアップしていかなくてはならない。そこで、とくにFCJしか経験のないドライバーは、他の入門カテゴリーから上がってきたライバルに負けてしまうのではないかと、今から不安を感じている者もいる。実際にFCJからF3に上がったあるドライバーの苦労している様子を見て、よけいに不安を募らせているフシもある。



まずは自分の最高のドライビングを作り上げたい。セッティングはそれからの話。

しかしあるドライビングアドバイザーは指摘する。


「ドライバーたちを見ていると、まだまだセッティング以前の段階で、もっと向上するはずのドライバーが多いです。ドライビングだけで、今よりずっとレベルが上がる子がたくさんいます。ブレーキの使い方やシフトダウンの仕方など、いろいろな要素でね。この段階で、もしも乗りやすいセットの方向に行っちゃうと、上達するはずのレベルに持っていきにくくなってしまうと思います」

 

 自分のスタイルに合わせて乗りやすくすれば、すべてが解決するわけではない。自分のスタイルや個性を生かしながら、なおかつ速く走る方法を模索することが、それぞれのスキルの向上につながる。これが現在のFCJの考え方である。


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