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第4回 サーキットを転戦する意義(1)

[2007/07/05]

初開催ラウンドで躍進した2名のドライバー

鈴鹿のS字はスピードに乗って右に左にとリズムよく走るコーナー
 ツインリンクもてぎで行なわれたFCJ第3ラウンド(第5戦・第6戦)で、地元出身の栗原正之と山本尚貴が躍進した。いずれもFCJ参戦初年度のドライバーである。栗原はこれまでのレース経験で、多少もてぎのコースに慣れていたため、各コーナーとも大きく外したドライビングになることなく、トータルでタイムが向上したという。山本の場合は栃木が地元とはいえ、四輪での走行経験は鈴鹿のほうがはるかに多い。しかし、山本はブレーキングを得意としており、ストップ&ゴーが特徴とされるもてぎと自身のドライビングスタイルが合って、トップを争う位置まで上ったと説明する。もちろん2人とも、地元の応援団に力をもらった面も大きいだろうが、技術的な面を見れば、シーズンが進んでちょうどクルマの操り方に慣れてきたタイミングにたまたま有利な条件を手にしたことで、多数がひしめく上位陣の中に埋もれていた自分をトップまで引き上げることに成功したのだ。  

 

 FCJは、レースを通してドライビングスキルを向上させることにプログラムの重点を置いている。今年度はより一層、練習の機会を増やして、スキルアップのためにより多くの経験を積めるようにプログラムが改善された。

 

 まず、走行距離自体を昨年より大幅に増やしたことがひとつ。テストとレースを含めた総走行距離は、昨年の約4500kmのほぼ倍に近い、約8000kmの予定が組まれている。


  自動車レースは、非常に練習時間を取りにくいスポーツである。個人が自分でレーシングカーを用意し、それを走らせるためのスタッフとコースを確保することは難しい。ミドルフォーミュラ以下の若手ドライバーにとっては、なおさらだ。それだけに、FCJのプログラムの中で走行時間を増やし、練習の機会を与えることには大きな意義があるのだ。

 

 次に、今年は開催サーキットを増やし、4種類のコースを転戦することになった。もちろん第一目的は、ドライバーたちにコースへの順応性を養ってもらうことにある。目の前の目標であるF3クラスでも、全日本F3の場合6カ所で戦わなければならない。これがヨーロッパになるとさらに多く、ユーロF3は9カ所、イギリスF3では実に11ものサーキットで開催される。そんな戦いの場で、初めての場所にも素早く順応し、勝ち負けを争うレベルに自分を持っていかなければならないのだ。

 

 順応性を養う以上に、違うサーキットを走ることがドライビングの見直しと改善に役立っている点も無視できない。アドバイザーの畑川治氏は強調する。


「コースが変わって全員に共通した変化が現れるということはないんですが、個々の選手の慣れや好き嫌いによって、どこかが速かったり遅かったり、いろいろな変化が必ず現れるものです。その変化が、ドライバーたちにとっては考えるきっかけになり、自身のドライビングの中に見えてくるものがあるんです。クルマの曲げ方や考え方の違いなど、それぞれのコースの特性の中で、自分ができていることとできていないことがあぶり出されてくるんです」

 

 これについては、あるドライバーも実感している。


「コースが変わると、それまで他のコースでしていた乗り方が、決してベストではないと気づきます。コースによっては悪いクセが強調されて、課題が明らかになります



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