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第3回 少人数制ドライビング指導(2)

[2007/05/28]

アドバイザーは“図書館”のようなもの

アドバイザーに指導を仰ぎに行くときは、ロガーデータの入ったパソコン持参で
 実はFCJ発足当初には、このような体制は取られていなかった。とくに担当を決めず、誰が誰を指導するかは、 その場その場で臨機応変になされており、よく言えば自由でおおらかな状態だったという。ところが担当者が決まっていないと、 ドライバーは自分の走りを誰が見てくれていたのかがはっきりせず、誰にアドバイスを求めるか決めにくい。 また、常に自分を見ているわけではない相手に対しては、トータルな問題点の相談などは持ちかけにくいものだ。 もちろんアドバイザーとしても、ひとりで27名全員を細かく観察することは無理である。

 現場で指導にあたりながら、こうした懸念を感じ取った畑川アドバイザーは、ドライバーにとって常に自分を見てくれている人、 すなわち担当アドバイザーを決めていたほうが、よりきめ細かい指導が可能になるのではないかと考えた。 こうして、初年度のうちに畑川氏と現場のスタッフから少人数制ドライビング指導のアイデアが出され、現在のような体制ができあがった。

 少人数制はドライバーの立場からだけでなく、アドバイザーの立場としても指導しやすい。 コミュニケーションを密に取れることにより、選手ひとり一人がよく見える。誰かが壁に突き当たっていたり、 何かの問題に悩んでいたりしても、すぐにその状況に気がつくことができるのだ。「広く浅く指導する」より、 「狭く深く指導する」ほうが、実際の技術向上には有効ということだ。

 もちろんドライバーは、担当者以外のアドバイザーにも自由に指導を求めることができる。 さまざまな考え方に触れるチャンスも提供されているのだ。ドライビングは万人共通のスキルだけではなく、 考え方や方法論による部分も大きい。異なる考え方を知ることにもメリットが確実にある。

 では、当のドライバーたちは、この環境を十分に活用できているのだろうか。その辺りを畑川氏にうかがうと、笑いながら答えてくれた。


セッション直後、アドバイザーのほうから各ピットを回り、コーナーで見て感じたことを指導することも
「ほとんど相談しに行かない人もいますよ。昔から、アドバイザーは図書館みたいなものだから、 自分から使わなければ役には立たない、図書館のほうからは教えてあげにいかないよ、とは言っているんですけどね」

 しかし、FCJには親切でやさしい図書館も多く、実際には個々のドライビングアドバイザーの方からマメに選手のもとに出向き、 指導することも多い。アドバイザーのほうにも、自分の担当するドライバーには絶対に速くなってほしいという思いが生じるのだろう。 こうした一種の競争原理のようなものがうまく働くのも、少人数制ならではのメリットと考えられる。

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