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第2回 ロガーが教えてくれること(1)
[2007/04/20]
すべてが裸にされるデータロガー
ライバルの決勝の走り方を見て次のレースの作戦を練る中嶋。データはレースの作戦を考えるときにも使える。
FCJ第4戦後の記者会見で、優勝した中嶋大祐はこう告白した。 「昨日(第3戦)のデータを見て、国本君はレース後半まで速かったので、 スタート前までは、今日はポールポジションからスタートしても勝つのは難しいかなと思ってました」。 この不安をレース中に払拭して、中嶋は見事に優勝してみせた。逆に国本京佑は、 後半に中嶋を抜けると踏んで前半に様子を見てしまい、足元をすくわれた形だ。 ロガーデータはときに、レースにこれほどの影響力を持つこともある。
マシンに搭載されたロガーシステムが吸い上げるデータには、エンジンのデータなどとともに、 ドライバーが何をしたかが逐一記録される。こうしたデータは、トップカテゴリーにおいては主に、 マシンの開発やレースの作戦を立てるために活用されるが、FCJのような育成カテゴリーでは、 ドライバーの技術向上のために使われる。タイムチャートに出てくる数字だけで、 どこのセクションが速い遅いとわかっても、それはなぜなのかが問題だ。そこでデータを参照し、 そこに何を見つけられるかによって、自分が何をしているのかがほどけるように見えてくる。
データ解析ソフトのグラフにはさまざまなデータを表示することができるが、 ドライビングのために参照するのはまず、速度、アクセル、ブレーキ、ステアリングの4点、 そして必要に応じてギヤとエンジン回転を見る。これらの要素についてドライバーが走行中に行なったことが、 データになってそのまま折れ線グラフとして再現される。この状況をあるFCJドライバーは、 「全部が裸にされてしまう。道具のせいにできないのでへこむ」と表現した。
さらにFCJでは、自分が何をしたかを検証するだけでなく、全員のデータが公開されるので、 その気さえあれば1回の走行セッションで、27種類の走り方(場合によってはドライビングアドバイザーのデータも加えられる) を自分と同じ条件で比較検討できる。トップの選手と比べ、自分は何が劣っているのか。 一番速いヤツはどんなことをしてるのか。ドライバーにとって気になることを、全部調べることができるのだ。 チーム間の戦いが厳しく、重要なことはすべて秘密にされる一般のカテゴリーでは、到底不可能なことだ。 また、F1のようにチームによってマシンのポテンシャルや特性がまったく違っていては、たとえデータが見られたとしても、 純粋なドライビングの比較などできようはずもない。ワンメイクでイコールコンディション、 しかもセッティング範囲も限られたFCJだからこそ、他人のデータを見ることにドライビング向上のカギを見出せるのである。
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